憧れのお箸を求めて、京都へ行ってきました。

阪急京都線河原町駅から、四条通りを烏丸方面へ。観光客で賑わう表通りから少し入ったところに、市原平兵衛商店はあります。「箸 いちはら」の看板は少し控えめな印象で、低い建物の並ぶ京都の街に馴染んでいます。

 


私がこのお店を知ることになったのは、親しくしているお客様のご自宅のお台所。遊びに伺うと、よく手作りの食事をふるまってくれます。「お腹空いてない?遠慮しないで沢山食べなさいね〜」と言われるとついつい・・・箸が止まらず。対馬出身のお母さんが作る郷土料理は、どれも絶品なんです。特に「ところてん」が私のお気に入り!

お台所には、手入れをして長く使い込まれた、こだわりの調理器具が並んでいます。料理が好きな人のお台所は、見ているだけでとっても楽しいです。

そんなお宅で見つけたのが、盛り付け箸。
手に馴染む太さといい、繊細に尖った箸先は、ゴマ一粒を飾れるほどの使い勝手。これはたまらない!と感動の出会いでした。

お店を教えてもらって、京都に行く機会があれば絶対に行きたい!と、心待ちにしていました。看板を見つけた時から、ワクワク。期待に胸を膨らませお店に入った時は、たくさんの種類がずらりと並ぶ店内に興奮し過ぎて、しばし放心状態でした。

本当にたくさんのお箸が並んでいます。あれこれ目移りしてしまい、お目当の盛り箸を探すのも手こずるほど。

 

 

念願のお盛り付け箸。
写真では見にくいですが、竹の皮を細い箸先まで残し、箸先をほんの少し丸く仕上げてあります。竹の皮を先端まで残すことで、強度が上がり丈夫で長持ちするお箸に仕上がります。使用する竹は、なんと150年も寝かせてから削り出すそうです。

サイズは大、中、小、私は割と手が小さいですが、調理道具は大きめが好きなので大と中を選びました。箸の反対側は平たく削って仕上げてあり、瓶の中身をとったり、柔らかくて煮崩れしやすいものを掴むのに使えるんそうです。

元々は、和食屋の料理長しか持てなかった箸。
家庭料理でも使いやすいよう幾度の改良の末、今の形になったそうです。使い込むとお料理や使い手に馴染んで、艶々のお箸になるんだとか。今からとても楽しみです。

肝心のお手入れは、竹は水に弱いので水気を拭いて横にして、通気の良い所に置いて使うと長持ちするそうです。箸立てってあんまり良くないんですね!

一目惚れの、お箸。
盛り箸以外に、とっても惹かれたのが平安箸の竹箸。箸先は拭き漆で、持ち手の部分は皮面を残して溜塗。美しすぎてウットリします。溜塗の漆にやっぱり惹かれてしまいます。なんとも言えない、艶やかな小豆色のぽってりしたグラデーション。

 

大事に使います。