ハリトヒト。

「知らない」と気づいた。それは「知りたい」のはじまり。

今の鍼灸業界を牽引する、素敵な媒体です。


憧れを抱きつつ読者として眺めていたのですが
なんと、調 香生子のインタビューが掲載されました。

鍼灸師なるまでの経緯と「子寶みそ」誕生のはなし、大切にしている、食と健康についての考え。

止まらない想いを、記事にしてくださいました。

少し長いですが、ご笑覧いただければ幸いです。

https://haritohito.jp/interview/shirabekooko/

 

そして熱が冷めないうちに、掲載後記として2つの気持ちを綴ります。

 

1、

鍼灸師として、お帰りになるお客さまに「おだいじになさってください」と伝える機会が増えました。

私の養生の手本でもある、助産師だった祖母は「おだいじに」と言う言葉に、深い責任を感じていました。開業医に嫁ぎ「おだいじに」の本当の意味を伝えずに、毎日の挨拶のように「おだいじにどうぞ」と言うこと。祖母はその思いを、80歳の時に小さな講座を持つことで伝えるようになりました。
自分を「おだいじに」にする方法。
まる4日間かけて行う講座で伝えるのは、解剖学・生理学・栄養学・料理・暮らしかたテーマは多岐にわたる「おばあちゃんの知恵袋」と経験です。体の歪みの取り方や調理実習、換気の仕方などなど、私の父と共に一生懸命取り組む姿を見送りました。

私も時々、チクリと胸が痛みます。
祖母と同じように伝えることはできませんが、鍼灸治療を通して、また祖母の味を残す調味料「子寶」シリーズの販売を通して、SNSでの発信を通して、「おだいじに」の仕方、ゆるやかにお伝えできたらと思っています。

 

2、

インタビュー中にも出てくる、健康食品屋さんと思われたくない気持ち。

お店を開いて5年になるのですが、時々「健康食品のお店ですか?」と声をかけていただきます。興味を持っていただくのは本当にありがたいのですが、この感想、オーナーとしてはとても嫌なんです。えも言われぬ嫌悪感の原因がなんなのか、ずっとモヤモヤとしていました。

”健康食品”と”それ以外の食品”の違いとはなんでしょう?

仕事柄、生産者さんとのお付き合いがあります。米農家さん、梅農家さん、味噌屋さん、お酢屋さん、醤油やさん、養豚家さん、などなどなど。食べる人のことを思い、五感を研ぎ澄まし自然を感じ、植物や動物の命を扱い、一生懸命仕事をされています。わたしは、彼らの仕事を心から敬愛しているのです。

そして、これらの想いの詰まった食品が、私の血となり肉となり健康に働ける体を作っています。

屁理屈だと言われるかもれませんが、こんなにも手のかかる食品を差し置いて「健康食品」を謳う商品がたくさんある事に、ちょっとした違和感を感じています。

三星舎で販売している食品は、それぞれ作り手の思いに感銘を受け、わたしの毎日の食卓で何年も食べ続けているものです。ぜひ安心してお召し上がりください。

 

インタビューを通して、また少し自分の思いを確認することができました。

このような機会をくださった、「ハリトヒト。」編集部のみなさんに、改めて感謝しています。