2. 石鹸と界面活性剤

 

界面活性剤と聞いてどんな印象を持ちますか?

 

危険、肌に悪い、敏感肌の大敵などやや悪いな印象の方がおおいかと思います。

これは主に化粧品や化粧石けんでの話題が多いからでしょう。

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界面活性剤とはそもそも。

水と油など混ざり合わないものを、混ぜ合わせるために使うものです。

水と油をグラスに注ぐと分離します、その分離している表面(界面)と表面(界面)をつなぎ合わせるのが界面活性剤です。

 

例えばファンデーションなどの化粧品や、美容液などの保湿効果のある油と水分を一緒にした製品には欠かせないものです。

食品だと、マヨネーズも卵の黄身が界面活性成分です。今は別の成分を入れいているかもしれませんが。

 

なににせよ、ぐんと身近に感じますね。医療品や産業にも使われているようです。

 

界面活性剤という言葉もない昔から界面活性の性質を利用していた、最も歴史の古いものが「石鹸」です。

その歴史や安全性から「石鹸」は界面活性剤とは呼ばないという考えがあるようです。

 

石鹸の歴史は紀元前にさかのぼりますが、お肉を焼いていた際に滴った油が灰(アルカリ)の上に落ちて冷えた時にできたと言われているそうです。油とアルカリが出会って石鹸ができたわけです。たまたまできた界面活性成分の始まりです。今も基本的には変わらない石鹸の素地は、油とアルカリを混ぜ合わせて作ります。何千年もの間使われてきたことが、何よりの安全の証明ではないでしょうか。

 

石鹸を作るとき界面活性剤についてはとても悩まされました。本来の意味を知らずに広告の悪印象が一人歩きしているようにも感じたからです。確かに肌に負担をかけないものではありませんが、正しく適切に使えばとても便利なものです。

この悪印象を乗り切るために界面活性剤を使わない石鹸というものもあるようですが、もはや石鹸では無いような気がします。汚れが落ちるのかな?歴史も安全性もわからないなと想像します。

 

石鹸は人々が身をもって安全を証明してきた界面活性剤(成分)です。

だからこそ汚れを落とし生活に役立てられてきたのだと思います。

 

結局は使い方次第で、良くも悪くもなりそうですね。