17. 商店街でお買い物、のすすめ
新年明けましておめでとうございます
良いお正月をお過ごしになりましたか?
故郷に帰り、思い出いっぱいの景色を感じたり
馴染みの店で友人との再会に話が尽きなかったり。
学生の頃の私は、なにより親しんだ母の味にホッと一息つきました。
博多のお正月といえば、車海老、ハマグリ、ぶり又はあらの入った豪華な博多雑煮。
お正月はどの家も奮発してお買い物に行きます。
福岡市早良区。
私の育ったこの街には、市営地下鉄「藤崎駅」〜「西新駅」〜オレンジ通りへと続く、長くユニークな商店街があります
どのお店も個性的で、何かに特化した豊富な品揃え。
そして質問をすると目から鱗の知識で答えてくれます。
体に良い安心安全な美味しい食材、旬のお野菜や
魚、良質な商品を本当に求めたいなら。
商店街の人たちと親しくなって尋ねてみるのが一番の近道です。
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子供の頃、手を引いてもらって母や祖母のお買い物する様子を眺めていました。
お豆腐屋さんでは時々おからをサービスでもらえること、
ところてんは注文すると四角い天衝からスルリと涼しげな様子で出てくること。
ちょっとおっかない天ぷら屋さんではお客さんが気を使うこと。
干物屋さんの「かなぎ」は母の大好物で、脂が乗っている大きなサイズがあるとご機嫌になること。
思い返すと、枕やさんが鍼灸師の私もびっくりするほど肩こりに詳しいこと。
などなど…..
母は料理の仕方や、季節限定の食材、他の商店の話などなんでも気兼ねなく尋ねていたように思います。そして少しずつ「筍はあのお店が良いよ」「お刺身はあそこに頼みなさい」時には「あそこの野菜は気をつけて」などと教えてくれました。
売っている人と、商品の良し悪し、適正な価格と季節。
食いしん坊の私は、お買い物についていくのがとても楽しみでした。
高校卒業まで福岡で過ごしたのち、実家を離れ約8年ほど他県で過ごしました。
初めての一人暮らし。
母の手料理の味の記憶を頼りに調理を始めました。
新しい土地の食材や文化は驚きと困惑の連続です。
出汁や醤油の加減、味噌などの基本の調味料、常備食材はまるで違います。
そんな時になにより役に立ったのが、お買い物の記憶でした。
各町の素晴らしい商店街を利用し、美味しい食材や食文化を感じることができたのは、きっとお買い物の仕方をなんとなく覚えていたからかもしれません
この街に戻って暮らす時、商店街の近くに住みたいと思いました。
お正月。
西新商店街で食材をもとめ、おせちを作りました。
もちろん博多の台所といえば柳橋連合市場。
買い慣れない商店へは父の監督のもと、お買い物。
でもね、私はやっぱりこの街の商店街が大好きです。
お得情報を教えてもらうためには、足繁く同じ店に通って顔を覚えてもらうのが一番です。
親しくなれば、本当にいろんなお困りごとを助けてくれます。
商店の人たちはみんな専門家。
旬や、穴場の産地、年々の気候と豊作不作の食材、美味しい調理法、ややこしい下処理の仕方など話は尽きません…
沢山のことを教えてもらいながら、今年も少しだけお料理の腕が上がるかなっ♪
美味しくて安心安全な食材探しは、こんな風に始まると思いませんか?
あなたの住む町にも、親しくなるとびっくりするほど素晴らしい商店が隠れているかもしれません。